福島県の外来種情報

【更新 : 2021年8月14日】


▼須賀川市で特定外来生物のチョウを確認;2021年8月10日、須賀川市の翠ヶ丘公園でアカボシゴマダラを見つけた。アカボシゴマダラは中国原産のチョウ。何者かが密輸入して放蝶したものが野生化、関東地方を中心に急速に分布域を拡げている。福島県では2013年頃から見つかりだした。エノキを食草とするため、日本産のチョウとの競合や交雑が心配されている。特定外来生物に指定されており、駆除すべき生き物となっている。
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▼大池公園で奇妙な外来生物オオマリコケムシ見つかる<矢吹町>;2021年7月17日、矢吹町の大池公園で「自然観察の会ふくしま」が自然観察会を行った際、池のほとりで外来生物のオオマリコケムシを発見した。オオマリコケムシは北米原産で、体長1mmほどの個虫が集まってゼリー状の巨大な群体を形成する。池や沼に棲み、大きいものでは長さが2m以上になるという。大池で見つかったものは直径30cmくらいで、池の南側で多数見つかった。大量発生すると水路の取水口が詰まったり、他の水生生物の生息環境を悪化させたり、腐敗して水質を悪化させたりといった心配がある。繁殖力が強いので将来、危険な外来種に指定される可能性がある。増えて巨大化すると駆除が困難になるので、まだ小さいうちに駆除した方が良い。
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▼郡山市の五百淵公園でミンク撮影;2021年3月1日、自然観察の会ふくしまは五百淵公園の排水路で特定外来生物のアメリカミンクの撮影に成功した。ミンクは五百淵池と南川渓谷を行き来している様子だった。また、公園南側の林には同じく特定外来生物のアレチウリが繁茂しつつあった(写真右)。
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▼会津若松市で越冬するガビチョウの撮影に成功;2021年2月21日、会津若松市内で自然観察の会ふくしま会長の五十嵐悟さんが、東南アジア原産の鳥ガビチョウの撮影に成功した。ガビチョウはペット用として日本に輸入され、捨てられたものが九州や本州の低地林等の里山的森林で大繁殖している。地面で採食するため積雪量の多い地域には生息できないと思われてきたが、近年は多雪地域でも目撃されるようになった。繁殖力が強く生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるため、特定外来生物に指定されている。写真にはガビチョウ2羽が写っており、今後会津地方でも繁殖する恐れがある。
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▼特定外来生物アレチウリが分布拡大、樹木や生態系に悪影響(写真左は2021.1.16矢吹町大池公園近くで撮影);アレチウリは特定外来生物に指定されているが、県内では本格的な駆除は行われておらず、生育地がどんどん広がっている。アレチウリは一年草で冬に枯れるが、枯れた後も他の草木を覆っているため、多くの草木を枯らしてしまう。県内では中通り地方と浜通り地方で広範囲に分布し、河川や湖沼の近くで大繁殖している。写真右はアレチウリの実。
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▼県内でソウシチョウの目撃相次ぐ;2021年1月2日、伊達郡桑折町の桑折西山城跡で野鳥の会ふくしま会員の矢吹正さんが特定外来生物のソウシチョウ1羽を確認した。2020年12月26日にはいわき市泉玉露7丁目で吉田ヨウコウさんが散歩中にソウシチョウ2羽を確認した。過去に郡山市、須賀川市、古殿町、安達太良山山麓などでも目撃されている。ソウシチョウは環境適応力が高く、天然自然林でも繁殖可能なため生態系への影響が大きいと考えられている。ソウシチョウは関東以西に多いが、近年は南東北でも目撃されるようになった。
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▼公園で堂々と暮らすミンク(2020.12.11撮影);郡山市富久山町の郡山こどものもり公園にアメリカミンクが長年棲みついている。ミンクは小さな池の土手に穴を多数掘ってトンネル状の棲みかをつくっている。エサを求めて公園内の水辺をうろうろしているため、運がいいと公園散策中に出くわすこともある。ミンクは北米原産の動物で特定外来生物に指定されており、生態系に被害を及ぼす恐れがある。
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▼自然保護団体と市が共同で外来種駆除;2020年8月21日、須賀川市の翠ヶ丘公園で自然観察の会ふくしまと須賀川市による特定外来生物オオハンゴンソウの共同駆除作業が行われた。翠ヶ丘公園の一部でオオハンゴンソウが群生して年々増加傾向にあったため、自然観察の会が市に駆除を呼び掛けて実現した。当日は約十名の作業員が集まり、根ごと掘り取ったオオハンゴンソウを大きな袋に詰めて処分した。
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▼郡山市湖南町でオオハンゴンソウ大繁殖(2020.8.7撮影);特定外来生物のオオハンゴンソウが郡山市湖南町の鬼沼(写真左)や赤津字江合磯(写真右)などで大繁殖している。オオハンゴンソウは群生すると繁殖のスピードが加速し、駆除が困難になることから、自然観察の会ふくしまは郡山市に対し対策を講じるようお願いした。
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▼イノシシが危険な外来種を運ぶ?(2020.7.17撮影);国の天然記念物に指定されている会津若松市の赤井谷地湿原の周囲で、特定外来生物のオオハンゴンソウが見つかった(写真左)。また、イノシシの群れが湿原に侵入した痕跡も多数見つかった(写真右)。イノシシは泥浴びが大好きなため、オオハンゴンソウの種子を含んだ泥を体に付着させ、種子を湿原内に運んでいる恐れがある。湿原内ではまだオオハンゴンソウが見つかっていないが、オオハンゴンソウが拡がるのは時間の問題かもしれない。
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▼ヤマユリ群生地に危険な外来植物侵入(2020.7.16撮影);福島市佐倉のあづま総合運動公園のヤマユリ群生地内に、特定外来生物のオオハンゴンソウが侵入して数を増やしつつある。現在、オオハンゴンソウはヤマユリ群生地内にぽつぽつと生えている程度だが、繁殖スピードが速く、群生すると駆除が困難になる。オオハンゴンソウは群生して他の植物を駆逐することから、手遅れになる前に駆除してほしい。写真右はヤマユリ群生地の様子。
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▼沼沢湖周辺でキショウブ大繁殖(2020.6.9撮影);金山町大字沼沢字向の沼沢湖畔の湿地で、ヨーロッパ原産のキショウブが大繁殖している。キショウブは同じ環境に生育する在来植物(アヤメやカキツバタなど)を駆逐し、生態系に被害を及ぼす恐れがあることから「生態系被害防止外来種」に指定されている。
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▼外来種のスイレンがミツガシワを駆逐〜矢ノ原湿原(2020.6.9撮影);昭和村の矢ノ原湿原の沼で、人為的に持ち込まれたスイレンが増えて生態系への影響が心配されている。スイレンは外来種の認識が薄く各地で移植されているが、繁殖力が非常に強いため、自然豊かな池沼に移植すると在来種の水生植物が駆逐される。矢ノ原湿原でもスイレンがミツガシワ群落に食い込むように侵入し始めている様子が確認できた(写真左)。また、もともと沼に存在しなかったコイも移入されていることが分かった(写真右)。
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▼布引高原で外来種のハルザキヤマガラシ大繁殖(写真左は2020.5.28撮影);郡山市湖南町の布引高原でヨーロッパ原産のハルザキヤマガラシが大繁殖している。在来種の植物を駆逐する恐れがあるため「生態系被害防止外来種」に指定されている。写真右は同市の青松浜で5月23日に撮影したもの。
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▼池に大量発生した謎の寒天状の物体は外来生物だった<須賀川市>(2019.8.31撮影);須賀川市牡丹園の池で見つかった寒天状の不思議な物体は、北米原産のオオマリコケムシと分かった。オオマリコケムシは外肛動物で、大きさが1o前後の小さな「個虫」が多数集まり群体をつくる。外来魚などと一緒に日本に持ち込まれ、ほぼ全国に分布を広げているという。福島県内ではいわき市、伊達市、裏磐梯小野川湖などで確認されている。大量発生すると水路の取水口が詰まるなどの支障をきたす。これを除去すると腐敗臭がひどくて後始末が大変だという。繁殖力が強いので将来、危険な外来種に指定される可能性がある。オオマリコケムシはその後、園の職員によって駆除されたが、今後また発生するかどうか注視しなくてはいけない。
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▼猪苗代湖で園芸スイレンの繁殖を確認、増えるようであれば駆除する必要あり(2019.8.18撮影);猪苗代湖北岸部に生態系被害防止外来種に指定されている園芸スイレンの花が咲いていた。今のところ量は少ないようだが、自然度が高い地域だけに警戒が必要だ。
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▼二本松市のスキー場周辺でオオハンゴンソウが大繁殖(2019.8.14撮影);二本松市のあだたら高原スキー場(写真左)と奥岳の湯付近(写真右)で特定外来生物オオハンゴンソウの群生地が見つかった。オオハンゴンソウが安達太良山一帯に広がれば、貴重な植物や生態系への影響は計り知れない。
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▼裏磐梯五色沼で園芸スイレンを確認。生態系への影響が心配。(2019.7.24撮影);生態系被害防止外来種に指定されている園芸スイレンが裏磐梯五色沼(毘沙門沼)で確認された。五色沼は国立公園特別保護地区で、植生への影響が心配される。園芸スイレンは繁殖力が強く、全国の湖沼で急速に分布を拡げて在来植物を駆逐しているため、各地で駆除が行われている。
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▼園芸スイレンの駆除と水鳥の保護の両立に苦慮する白河市<南湖公園>(2019.7.22撮影);白河市は南湖公園で繁殖力旺盛な園芸スイレンの駆除を行っているが、水鳥のカイツブリの巣がスイレン群生地の中に点在し、巣を避けながらの作業に苦労している。カイツブリは以前はジュンサイやコウホネなど在来種の葉を利用していたが、近年はそれらがなくなってしまった。
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▼環境保護のため園芸スイレンを駆除<矢吹町>(2019.7.19撮影);矢吹町の大池は園芸スイレンとガマが生い茂って水面がだんだん見えなくなってきたため、池の一部で駆除を行った。大池はかつて大賀ハスが群生していたが2014年に原因不明で枯れてしまった。町はスイレンの繁殖を抑えて大賀ハスを復活させたいねらいもある。
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▼松川浦で外来種のコブハクチョウ72羽確認、生態系への影響心配<相馬市>(2019.1.15撮影);もともと日本にはいなかった鳥だが、観賞用に持ち込まれたものが野生化している。今のところ大きな問題にはなっていないが、他の鳥類や植物に影響を与える可能性が指摘されているので、注視していく必要がある。
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▼中島村の童里夢公園にミンクが生息(2015.3.28撮影);2015年3月28日、中島村の童里夢公園でミンク1頭の生息が確認された。この日、同公園で行われていた自然観察会で多数の参加者が目撃した。ミンクは池の淵を移動し、時折側溝や排水パイプの中を通るなどして餌を探している様子だった。
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ナチュラリスト横田清美事務所
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〒963-0201 福島県郡山市大槻町字殿町81-1


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