野鳥観察にお勧めの望遠鏡は? 4機種を比較

2019年6月11日 横田清美

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▲左からプロスタッフ3、フィールドスコープV、TSN-664M、TSN-601

コーワのTSNシリーズの663M、664M、601、602がお勧め
 軽くて、低価格(10万円以下)で、十分満足できる見え味、この3つの条件を満たす望遠鏡を探してみましたが、これぞというものはありませんでした。しかしながら、多少の欠点に目をつぶれば、コーワのTSNシリーズの663M、664M、601、602がお勧めと思います。これに接眼レンズのTE-14WD(30倍)を組み合わせるのがベストと思います。

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直視型と傾斜型の違い
 直視型は対象物を捉えるのが楽で、初心者やデジスコ撮影に向いて
います。しかし、身長の違う複数の人が交代で観察する場合は三脚の
高さを調整しなければなりません。
 傾斜型は高い場所の鳥などを観察するときに無理な姿勢をとる必要
がなく楽に観察でき、身長の違う複数の人が交代で観察する場合でも
三脚の高さを調整する必要がありません。しかし、ボディについて
いる照準線を利用しないと対象物を捉えるのが難しいです。

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お勧めの望遠鏡の仕様
(1)重さについては、三脚に装着して持ち歩くこと、女性でも難な
   く持ち運べる重さということを考慮すると、接眼レンズ込みの
   重さで1,300g以下が理想。
(2)接眼レンズの倍率は24倍から30倍の間(これ以上だと対象物を
   捉えにくくなり、これ以下だと倍率が物足りない。ズームレン
   ズも悪くはないが視野が若干狭くなります)。
(3)アイレリーフは18.0mm以上(長いほど眼鏡を掛けていても見
   やすくなる)。
(4)最短合焦距離は6m以下がおすすめ(5m以下なら文句なし)。
(5)接眼部のレンズ面は広い方が覗きやすい。
(6)性能は価格に比例しますが、高価なもの程重くなる傾向あり。
(7)その他…防水仕様、信用のおけるメーカー品。

4機種のレビュー

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TSN-601(傾斜型)+TE-14WD(30倍)【コーワ】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2019年6月現在)
  ボディが¥37,510税込、接眼レンズが¥24,330税込

@接眼レンズを含めた重さ903g  A実視界2.4°
B明るさ4.0  C最短合焦距離 6m
Dアイレリーフ20.0mm  E1000m先の視界41.9m
F本体のみの長さ299mm  G対物レンズ有効径60mm

◎最大の魅力は903gの軽量コンパクト。視界も広い。
◎ノーマルレンズとしては画質は良い方。
◎接眼部のレンズが大きく覗きやすい。
◎眼鏡をかけても見やすい。
×ピント合わせはフォーカスノブをたくさん回さないといけない。
×薄暗い環境では色収差(色のにじみ)が気になる。
※初心者やデジスコ撮影をする方は直視型がお勧め。

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TSN-664Mプロミナー(直視型)+TE-14WD(30倍)【コーワ】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2019年6月現在)
  ボディが¥68,470税込、接眼レンズが¥24,330税込

@接眼レンズを含めた重さ1,251g  A実視界2.4°
B明るさ4.8  C最短合焦距離 6m
Dアイレリーフ20.0mm  E1000m先の視界41.9m
F本体のみの長さ312mm  G対物レンズ有効径66mm

◎晴天時は切れの良いすっきりした見え味。
◎実視界、明るさ共に十分。しかも見た目以上に軽い。
◎接眼部のレンズが大きく覗きやすい。眼鏡をかけても見やすい。
×アイピース(回転式脱着)は外れやすいので落下事故に注意。
×ピント合わせはフォーカスノブをたくさん回さないといけない。
×フォーカスノブがボディに半分埋まっているので回しにくい。
※身長の違う複数の人が交代で観察する場合は傾斜型がよい。

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フィールドスコープV+DS接眼レンズ(24倍)【ニコン】
  ※残念ながら在庫払底で販売終了しました。
@接眼レンズを含めた重さ1,250g  A実視界3.0°
B明るさ6.3  C最短合焦距離 5m
Dアイレリーフ18.7mm  E1000m先の視界52m
F本体のみの長さ279mm  G対物レンズ有効径60mm

◎ピント合わせはピントリングを少し回すだけで合う。
◎接眼部のレンズが大きく覗きやすい。
◎眼鏡をかけても見やすい。
◎最短合焦距離が5mと短く、植物や昆虫なども観察できる。
◎手頃な価格(7万円程度)だった(販売終了が残念)。
×コーワと比較すると見え味は若干劣る。
×防水機能がやや劣っている。
×三脚取り付け部が重心から離れた位置にありバランスが
 よくない。

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プロスタッフ3(16〜48倍ズームレンズ)【ニコン】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2019年6月現在)¥30,510税込
@重さ620g  A実視界(16倍時)2.3°
B明るさ(16倍時)14.4  C最短合焦距離 10m
Dアイレリーフ(16倍時)19.0mm  E1000m先の視界(16倍時)40m
F全長313mm  G対物レンズ有効径60mm

◎3万円程度の安価で手に入るのが最大の魅力。
◎驚きの軽さ(620g)。
×16倍にすればそこそこクリアだが、ズームすると画像が荒くなる。
×接眼部のレンズが小さくて覗きにくい。
×ピントリングとズームリングが近すぎて誤操作しやすい。
×ズームリングの回転がきつすぎる。
×レンズキャップが緩すぎてすぐ外れる。
×付属品に安っぽい三脚が付いているが役に立たないので無駄。

価格も重さも気にしない人は
 価格も重さも気にしない方はより良いものを選んでください。スワロフスキー、ライカ、ニコン、コーワなどでより高性能な望遠鏡を販売しています。


お勧めの三脚、雲台

マスターV【スリック】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2019年6月現在)¥32,270税込
 使いやすくてしっかりした作りのフリーターン雲台と高さ調整が簡単なギア式エレベーターが魅力。重量は2,800gで女性にはちょっと重いかもしれない。風の強い日でも安定感はある。転倒防止を重視するならばこれがお勧めである。

DV−538【ベルボン】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2019年6月現在)¥19,840税込
 滑らかな動きの雲台と水平方向に動く生き物を追尾観察できる点が魅力。重量は2,080gで女性でも持ち運べる重さ。水平・上下の2方向の制御ストッパーを操作しなければいけないので多少手間取るが、慣れさえすれば使い勝手はとても良い。補強ステーが付いていないので指を挟む心配もなく運びやすい。

PH-157Q(雲台のみ)【ベルボン】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2019年6月現在)¥5,530税込
 動きに粘性を持たせた1ストップ式雲台。カメラのみならずビデオカメラやフィールドスコープ等にも対応可能。横位置撮影・縦位置撮影問わず楽な姿勢でファインダーを覗ける。クイックシューも装備。前出の三脚DV−538にこの雲台を取り付けて使うのもお勧めです。

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▲左からマスターV【スリック】、DV−538【ベルボン】、PH-157Q(雲台)【ベルボン】


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