自然観察の指導者の役割と心得

主役は案内人ではなく“参加者”です

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▲答えをすぐに教えず、考えさせなさい。     ▲教えるのは知識ではなく“観察の仕方”です。

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▲“参加者に見つけさせる”ことが大事です。    ▲気づきや発見をしたら上手にほめなさい。


◇ 指導者の役割

1 参加者に観察対象を探してもらう。
参加者に自然をよく観察させ、きれいなもの、ふしぎなもの、おもしろいもの、疑問に思うものなどを見つけてもらう。

2 参加者の発見を上手にほめる。
ほめ方に強弱をつけると参加者はより良いものを探すようになり、参加者のやる気や積極性を引き出すことができる。

3 発見したものを参加者に共有させ、手際よく観察させる。
観察の順番を待っている人や観察を終えた人を退屈させない。参加者にとって興味があるものは観察時間を長めに取り、そうでないものは短く切り上げる。時間配分を考え、時には観察するものを取捨選択する。

4 他の利用者の邪魔にならないようにする。

5 参加者の安全を確認する。


◇ 指導者の心得

1 原則として採らないで見る。
生き物は生きている姿(ありのままの様子)こそ観察する価値がある。採取しないと分からないものについては、環境に配慮しながら必要最小限の採取をし、みんなで回して観察する。

2 教えるのは知識ではなく“観察の仕方”です。

3 五感を使って観察させる。

4 名前にこだわらない。
自然のしくみや人と自然のかかわりに目を向ける。重要なのはよく観察して考究することであって、名前や答えを知ることではない。

5 子どもがいる場合は、子どもに合わせた話をしよう。

6 観察会リーダー自身も楽しみなさい。

7 観察素材を使い分けよう。
観察素材には@ただ単に面白いだけの観察素材、A自然のしくみ、人と自然のかかわり、命のつながりを考えさせられる観察素材、B自然保護について考えさせられる観察素材、の三つのタイプがある。この三種類の観察素材を参加者の年齢や興味の度合いに応じてバランスよく使い分けよう。


【自然観察の指導例】
<指導者がすでに気づいていることを参加者に気づかせる場面>
@見せたいものがある場所に参加者を誘導する。
A問い掛けをしたり手掛かりを与えたりして気づかせたいものの存在や場所に気づかせる。
(参加者が見つけたら上手にほめる)
B参加者全員に手際よく観察させる。その際、指導者は観察の仕方をアドバイスする。
C観察して新たな発見が生まれた時も上手にほめ、発見の喜びをみんなで共有する。
(参加者の気づきが浅い場合には、指導者が手掛かりやヒントを与えて深い気づきへと導く。)


【優れた指導者の条件】

(1)自然保護に関する豊富な知識を持っている。(正しいことを教えることができる。)
(2)参加者を楽しませる技術を持っている。(おもしろい観察素材をたくさん知っていて、それらを効果的に観察させる術を知っている。参加者を退屈させない話術を持っている。)
(3)優れた自然観察力を持っている。(自然が発しているメッセージを瞬時に読み取ることができるので、短時間でより多くのことを伝えることができる。)
(4)目配り(安全管理・参加者をよく見る)、気配り、心配り(相手の立場に立って考える)ができる。


※参考文献
*「フィールドガイドシリーズ自然観察ハンドブック」(1994)財団法人日本自然保護協会
*「自然かんさつからはじまる自然保護2001」(2001)財団法人日本自然保護協会編


ナチュラリスト横田清美事務所
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