自然観察によい双眼鏡の選び方

2019年11月10日 横田清美

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▲左はコーワのジェネシス33プロミナー8×33、右はニコンのモナーク7-8X30

よい双眼鏡で感動と発見の新世界を
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 双眼鏡を使えば、近づくと逃げてしまう鳥や虫などを簡単に観察することができます。いちいち近づいて観察する必要がないので体力の消耗を抑えることができます。
 また、目標物の前後が程よくぼけて見えるので、プロカメラマンが撮った写真のように美しく見えます。2〜3m先にある小さな花や虫も美しい大画面で見ることができます。双眼鏡があれば自然観察が一層楽しくなります。
 双眼鏡は選び方が大切です。実視界(双眼鏡をのぞいたときに見える範囲)が広ければ目標物を見つけやすいですし、また映画館の大画面を見ているような迫力があります。レンズの性能がいいと肉眼よりも鮮明に見え、視力の低下でお悩みの方は「はっきり見える喜び」が得られるでしょう。

倍率の選び方
 倍率は8倍〜10倍がおすすめです。それ以下だと見える大きさにたびたび不満が出てきます。それ以上ですと手ぶれして見づらくなります。
 8倍率は10倍率に比べて視野が広く目標物を捉えやすいです。また手ぶれが少ないです。一方10倍率は遠くにいる水鳥や猛禽類を同定する際に威力を発揮します。ただし、視野が狭くなり目標物を捉えにくくなり手ぶれしやすくなります。
 8倍率は初心者の方や手ぶれが気になる方にお勧めです。10倍率は遠くの水鳥や猛禽類などを見る機会が多い方や調査をよくされるベテランの方にお勧めです。

対物レンズの大きさの選び方
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 対物レンズは大きいほど明るくなりますが、逆に双眼鏡が重くなります。
 20oクラスは小型で携帯性に優れ、登山時や隠し持ちたい時などは便利ですが、視野が狭く画像がやや暗いです。
 30oクラスは重過ぎるということがなく、画質も大口径双眼鏡に劣らない見え味。長時間の観察におすすめです。
 40oクラスは大きくて重いが、見え味を重視したいという方にはおすすめ。

自然観察によい双眼鏡の条件
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(1)実視界は8倍率なら7°以上(これ以下だと目標物を見つけにくくなり、画
   面の迫力も物足りない。8°以上あれば文句なし)。10倍率なら6.0°以上。
(2)軽量でコンパクト(700g以下がおすすめ。500g以下なら文句なし。)
(3)最短合焦距離は2m以内がおすすめ。
(4)明るさは9.0以上(14.0以上だと文句なし)。
(5)アイレリーフが15.0mm以上(長いほど眼鏡を掛けていても見やすくなる)。
(6)その他…防水仕様、信用のおけるメーカー品。

8倍の双眼鏡ならこれがおすすめ
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モナーク7-8X30(8倍×30mm)【ニコン】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2018年11月現在)¥33,280税込
@重さ435g  A実視界8.3°  B明るさ14.4
C最短合焦距離2.0m  Dアイレリーフ15.1mm
E1000m先の視界145m  F全長119mm  G横幅123mm

◎最大の魅力は広い視野と軽量コンパクト。
◎画像周辺部に若干ひずみがあるが中心像はかなりクリア。
◎欠点はあるものの、コストパフォーマンスは一番高い。
×接眼目当ての回転部は数年経つときつくなる傾向がある。
×ピント合わせリングは数年経つときつくなる傾向がある。
×本体のラバーゴムは摩擦に弱く劣化しやすい。

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モナークHG-8X30(8倍×30mm)【ニコン】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2018年11月現在)¥97,200税込
@重さ450g  A実視界8.3°  B明るさ14.4
C最短合焦距離2.0m  Dアイレリーフ16.2mm
E1000m先の視界145m  F全長119mm  G横幅126mm

◎最大の魅力は広い視野と軽量コンパクト。
◎画像周辺部のひずみが少なく、かなりクリア。
◎ピントリングは素早いピント合わせが可能。
◎視度調整にロック機構を採用。視度がずれる心配がない。
◎接眼目当ての出し入れ調節はスムーズでしっかりしている。
×ピントリングに人差し指をかけると、手のひらに吊りひも取
 り付け部が当たり違和感を感じる。ピントリング位置が悪い。

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GENESIS33プロミナー8×33(8倍×33mm)【コーワ】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2018年3月現在)¥122,820税込
@重さ590g  A実視界8.0°  B明るさ16.8
C最短合焦距離1.5m  Dアイレリーフ15.0mm
E1000m先の視界140m  F全長131mm  G横幅121mm

◎画像の隅々まですっきりはっきり見えて気持ちがいい!
◎1.5mの最短合焦距離は植物や昆虫などの観察用にも最適。
◎視度調整にロック機構を採用。視度がずれる心配がない。
◎若干重く感じるが使い心地は満点。実視界も8.0と広い。
◎ピントリングの位置が的確で操作しやすい。
×ピント合わせの際、ピントリングをたくさん回さないといけない。

●この他、ニコンのモナーク7-8×42(¥42,770税込/ヨドバシカメラ価格)とモナークHG-8×42(税込¥91,600/ヨドバシカメラ価格)もおすすめです。

10倍の双眼鏡ならこれがおすすめ
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BD42-10XDプロミナー(10倍×42mm)【コーワ】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2018年11月現在)¥43,310税込
@重さ655g  A実視界6.2°  B明るさ17.6
C最短合焦距離1.5m  Dアイレリーフ18.0mm
E1000m先の視界108m  F全長132mm  G横幅127mm

◎定価4〜5万円クラスの双眼鏡の中では断トツでクリアに見える。
×視度調節リングはゆるく、ずれやすい。
×接眼目当ての出し入れ調節は遊びが多くてぎこちない。
×ストラップの留め具の効きが悪く使用中に長さが変わってしまう。
×一般的な双眼鏡と比べるとピント合わせリングの遠近の回転方
 向が逆になっていてまぎらわしい。

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モナーク7-10X42(10倍×42mm)【ニコン】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2018年11月現在)¥44,220税込
@重さ660g  A実視界6.7°  B明るさ17.6
C最短合焦距離2.5m  Dアイレリーフ16.5mm
E1000m先の視界117m  F全長142mm  G横幅130mm

◎実視界と操作性と手触り感はコーワより勝っている。
◎眼鏡をかけた状態でも見やすいと感じた。
×画像周辺部にひずみがあり、ちょっと気になる。
×接眼目当ての出し入れ調節はややぎこちない。
×視度調整リングは若干ずれやすい。
×見え味と最短合焦距離はコーワと比べると劣る。

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モナークHG-10X30(10倍×30mm)【ニコン】
  ※ヨドバシカメラの店頭価格(2018年11月現在)¥101,520税込
@重さ450g  A実視界6.9°  B明るさ9.0
C最短合焦距離2.0m  Dアイレリーフ15.2mm
E1000m先の視界121m  F全長119mm  G横幅126mm

◎最大の魅力は広い視野と軽量コンパクト。
◎画像周辺部のひずみが少なく、かなりクリア。
◎ピントリングは素早いピント合わせが可能。
◎接眼目当ての出し入れ調節はスムーズでしっかりしている。
×薄暗い環境では見え味が若干悪くなる。
×ピントリングに人差し指をかけると、手のひらに吊りひも取
 り付け部が当たり違和感を感じる。ピントリング位置が悪い。

●この他、ニコンのモナークHG-10×42(税込¥94,220/ヨドバシカメラ価格)とコーワのGENESIS33プロミナー10×33(¥127,050税込/ヨドバシカメラ価格)もおすすめです。双眼鏡を複数台ほしい方は10倍率の双眼鏡も1台あるといいと思います。


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