自然観察の素材【自然のしくみ・自然破壊】

【更新 : 2020年3月10日】※写真・イラスト・文章の無断転載・無断使用を固く禁じます。


街路樹等に使われているユリノキが危険な外来種に変身か

ドローンの出現で美しい景色が台無しに

温暖化が原因か、ニホンジカが高山地帯に進出し、高山植物を食い荒らす

防潮堤建設や車の乗り入れ等により姿を消していく海岸植物群落

原発事故の除染によって保水機能や動物の生息環境が損なわれた

水鳥も食べ物の洋食化(外来種食)が進んでいる

森林を全て切る皆伐は、動物の棲みかを奪い、表土を流出させて河川を汚す

都市化によって野鳥の生態が変化、夜の都会に集まる鳥たちが引き起こす公害問題

コンクリートU字溝が小動物の命を奪う

野生動物の苦しみを写真に撮って代弁しよう

農業の機械化に伴う乾田化がメダカを絶滅危惧種に追いやった

木に縛り付けたロープや針金が木を締め付ける

集団登山によるオーバーユース(過剰利用)が自然を壊す

ペットの過剰な持ち込みは、自然観察をつまらなくする迷惑行為

裸地化は池沼の水質を悪化させる

山岳道路の建設は自然を破壊する

高速道路並みの立派な林道、税金の無駄使いでは?

大規模な林道建設は土砂崩れを招く

日本のスキー場開発は湖沼を汚してもOK?


▼街路樹等に使われているユリノキが危険な外来種に変身か;茨城県の県民の森で、植栽されたユリノキから散布された種子が大量に発芽し、林床がユリノキの稚樹で一面覆われていた。驚いたことに、もともとあったササ類を駆逐していた。ユリノキは北米原産のモクレン科の高木。日本では街路樹や公園に普通に植えられており、自生や野生化はしないと考えられていた。種子は湿り気のある土壌で発芽する。茨城県民の森の事例のように自然林の中にユリノキを植えると、条件次第では大繁殖し、生態系に悪影響を及ぼしかねない。
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▼ドローンの出現で美しい景色が台無しに;空を飛ぶドローンは人の視界を横切ったり遮ったりできる。自然の織りなす一瞬の輝きを求めるカメラマンや野鳥観察を楽しむ人たちにとってドローンの存在は脅威だ。ドローンによる景観破壊が深刻化する前に国は早急にルール作りを行うべきです。
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▼温暖化が原因か、ニホンジカが高山地帯に進出し、高山植物を食い荒らす;写真右上はニホンジカがミズバショウを食べた跡、写真下段はエゾリンドウを食べた跡。高山植物が減少し、生態系や観光に打撃を与えている。
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▼防潮堤建設や車の乗り入れ等により姿を消していく海岸植物群落;千年に一度の大津波を防ぐ防潮堤は建設不可能なため、国は二百年に一度の津波に対応した防潮堤を造っている。この防潮堤建設によって海岸植物群落がどんどん失われている。辛うじて残った海岸植物群落も、砂浜を走り回る車に踏みつぶされる。
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▼原発事故の除染によって保水機能や動物の生息環境が損なわれた;写真は除染によって森林の表土がはぎ取られ、汚染土が袋詰めされた様子。除染によって多くの野生動植物が影響を受けた。動物の食料になるはずだった木の実や草はなくなり、小動物の隠れ場所もなくなった。裸地化した斜面は土壌が流出しやすくなり、保水力が損なわれてしまった。写真は福島県白河市南湖公園内で2014年に撮影。


▼水鳥も食べ物の洋食化(外来種食)が進んでいる;カイツブリの雛が口にくわえているのはアメリカザリガニ(写真左)、アオサギがくわえているのはチャネルキャットフィッシュ(写真右)、どちらもアメリカ原産の外来種だ。水鳥が食べているものをよく観察し、河川や湖沼の健康状態をチェックしよう。
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▼森林を全て切る皆伐は、動物の棲みかを奪い、表土を流出させて河川を汚す;抜き切り(すかし切り)による伐採の場合は動物の隠れ場所やエサとなるものが残るが、皆伐(写真左)を行うと動物の居場所は無くなり、エサとなるものは極端に減る。すなわち、皆伐は動物の生息環境を著しく悪化させる。皆伐後は大雨が降る度に表土が流出して川を汚す。
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▼都市化によって野鳥の生態が変化、夜の都会に集まる鳥たちが引き起こす公害問題;かつては山林をねぐらにしていたカラス、ムクドリ、ハクセキレイが、都市部の電線や街路樹やビルの屋上などをねぐらにするようになり、糞公害や鳴き声による騒音公害を引き起こすようになった。人間による環境改変が野鳥の生態に変化を与え、公害という形で私たちに警鐘を鳴らしている。
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▼コンクリートU字溝が小動物の命を奪う;U字溝があったら小動物が落ちて死んでいないか探してみてください。モグラ、イモリ、ミミズなどはU字溝に落ちると這い上がることができずに死んでしまいます。写真下段は林道のU字溝に落ちて死んだイモリ。イモリはU字溝が原因で絶滅の危機に瀕しています。
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▼野生動物の苦しみを写真に撮って代弁しよう;写真のカモは、リング状のプラスチックゴミに頭を通してしまい、それを取ろうとしたらくちばしの間にリングが挟まって取れなくなってしまった。飛ぶことはできるが、餌をとることができない。助けてやりたいが人が近づけば飛んで逃げてしまう。やがてこのカモは弱って死んでしまうだろう。このような時、私たちにできることは何か。写真に撮ってカモの苦しみを代弁することはできる。ゴミ問題に限らず、自然保護を訴える写真を撮ってネットに載せたりやマスコミに投稿したりしよう。
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▼農業の機械化に伴う乾田化がメダカを絶滅危惧種に追いやった;メダカは田んぼと水路を行き来して生活していたが、人間が田んぼと水路に段差を設けて水はけをよくしたため、メダカは田んぼに入れなくなり生活圏が狭められた。メダカは狭い水路での暮らしを余儀なくされたが、水路は人間の都合でコンクリートのU字溝となり、餌、産卵場、隠れ場所がなくなり、水流が速くなってそこにとどまることすらできなくなった。また、メダカが生きていくためには通年通水することが必要だが、人間が水路の水を止めてしまうと生きていけない。
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▼木に縛り付けたロープや針金が木を締め付ける;木が悲鳴を上げていませんか? 写真右は木が怒って樹名板を食べているように見えます。木の悲鳴が聞こえる人を増やしたいものです。
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▼集団登山によるオーバーユース(過剰利用)が自然を壊す;集団登山は高山植物の踏み付け、登山道の浸食、裸地化や洗堀溝の拡大、ゴミ問題などをもたらす。下段イラストのA〜Dは洗堀が進む過程。特に雨天時の集団登山は登山道の浸食を加速させるので慎むべきです。
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▼ペットの過剰な持ち込みは、自然観察をつまらなくする迷惑行為;裏磐梯五色沼で一時期ペットの持ち込みが増え、野生動物の姿や痕跡が見られなくなったことがありました。何事もほどほどが大事です。
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▼裸地化は池沼の水質を悪化させる;大勢の観光客が訪れる裏磐梯五色沼。観光客の踏み付けによって沼の畔が裸地化し、雨が降る度に沼に泥水が流れ込んだ。こうなる前に裸地化を防ぐ手立てを講じなくてはならない。写真右上は濁ってしまった竜沼(1994年撮影)。
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▼山岳道路の建設は自然を破壊する;雄国山山頂付近にある雄国沼湿原は車で近くまで行くことができる。その結果、花シーズンの車渋滞、オーバーユースと湿原の踏み荒らし(写真上段)、希少植物の盗掘(写真下段)などの問題が起こった。
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▼高速道路並みの立派な林道、税金の無駄使いでは?;全国各地で巨額の費用を投じて実に立派な林道をたくさん造った。写真上段は岩盤質の山を掘削して林道を造っている現場。写真右下は高速道路と見間違えるほど立派な陸橋の林道。このように山を大きく削ったり陸橋を設けたりしたのでは、逆に木材の搬出がしにくくなる。林業の振興よりも、立派な道路を造ることが目的になっているのではないでしょうか。
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▼大規模な林道建設は土砂崩れを招く;急峻な山の斜面に道路を造ると土砂崩れが起きやすくなります。
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▼日本のスキー場開発は湖沼を汚してもOK?;日本のスキー場づくりは、ほぼ皆伐、表土を剥ぎ取り、木の根や岩石を取り除く。土はむき出しとなり、大雨が降れば濁った水が川に入る。写真右下は濁った水が国立公園の湖に流れ込む様子。
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ナチュラリスト横田清美事務所
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