自然観察の素材【危険な生物】


※自然観察会の指導者の心得には「名前にこだわらない」「すぐに教えない」」「さわったり味わったりして五感を使いなさい」などがありますが、危険な生物については例外であり、事故防止の観点から積極的に教えるようにしましょう。できれば出発前または出発後の早い段階で危険な生物の存在を参加者に伝えるようにしましょう。

【2020年2月26日更新】※写真や文章の無断転載・無断使用を固く禁じます。

〔種名アイウエオ順〕


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▼アオカミキリモドキ;体長10〜15mm程度。体液に有毒物質を含む。人体に止まったときにつぶしたりすると、体液がついて皮膚炎を起こす。灯火によく集まる。


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▼アオバアリガタハネカクシ;体長約7mm。体液に有毒物質を含む。人体に止まったときにつぶしたりすると、体液がついて皮膚炎を起こす。アリに似ているので間違えて触らないこと。地表に生息し、灯火によく飛来する。


▼アシナガバチの仲間;刺されると激痛が走り、後にかゆみが生じる。巣は低木の葉の裏など見えにくい場所にあるので、気づかずに巣を刺激して刺されるケースが多い。歩道沿いの草木をむやみに棒でたたいたり、やぶの中をガサガサと歩き回るのは危険。刺されてしまったら、傷口を絞って毒を出し、水で洗い流す。写真は左がキボシアシナガバチの巣、右がムモンホソアシナガバチの巣。
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▼アズマヒキガエル;鼓膜の上部やいぼに毒がある。ヒキガエルを触った手で目をこすると、最悪の場合、失明する恐れがある。


▼イラクサ;全草に有毒の刺毛があり、皮膚に刺さるとじんじんと鋭い痛みを生じる。沢沿いなどの半日陰地に生育する。葉は対生する。
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▼イモリ;全長8〜13cmで腹面は赤色、背面は黒色。皮膚に毒があり、イモリに触った後で目を触ると目が腫れて痛む。イモリを触った後は手をよく洗うこと。池、水田、小川などに棲む。


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▼イラガ幼虫;体長約25mm。全身にたくさんの毒針があり、触れると電撃的な強い痛みを生じる。カキ、ウメ、サクラなどの葉を食べる。出現時期は7〜10月。


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▼オオスズメバチ;刺されると激痛があり、後にかゆみを生じる。アナフィラキシーショック(血圧が急激に低下する急性アレルギー反応)が起きると命に危険がある。刺されてしまったら、傷口を絞って毒を出し、水で洗い流し、速やかに病院で治療を受ける。スズメバチの巣に近づくと、蜂が顔の周りに飛んできてカチカチという警戒音を出します。警戒音を鳴らされたらすみやかにその場を離れてください。警戒音を無視してその場に居座ると蜂は仲間を連れて一斉に攻撃してきます。スズメバチが樹液に来ている場合は、蜂を刺激しない限り危険はありません。


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▼オオトビサシガメ;体長2〜3cm。口吻で刺されると痛い。素手では触らないこと。


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▼カの仲間;刺されるとかゆみが生じる。蚊は主に露出している肌を刺す。長袖長ズボンを身に着け、手首足首などを露出しなければほとんど刺されない。肌に密着した薄い生地の服の場合は服の上から刺されるので、なるべくだぶだぶした厚い生地の服を着るとよい。虫除けスプレーは毒性のあるディートが含まれているので、自然観察会ではなるべく使わないようにしたい。


▼カバキコマチグモ;体長10-15mm程度。かまれると大変痛い。ヨシやススキの葉を写真のようにちまき状に巻き、中に入って産卵し卵を守っている。巣を壊したり刺激したりするのは危険。観察時期は夏。
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▼キンギンボク;樹高約2mの落葉低木。果実は有毒。赤くて丸い実が二つずつくっついて雪ダルマ形になる。果実は7月頃熟す。別名ヒョウタンボクともいう。


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▼クロシタアオイラガ;体長18mm。全身にたくさんの毒針があり、触れると電撃的な痛みを生じる。クヌギ、クリ、ウメ、カキ、サクラ類の葉を食べる。


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▼クロスズメバチ;体長10〜18mmと小型。毒は弱い方だが、集団で襲ってきて多数刺されると危険。地中に巣をつくる。本来はおとなしい蜂だが、誤って巣を刺激すると集団で襲ってくる。髪の毛や服の中に潜り込んで刺してくる。


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▼ツキノワグマ;熊を刺激すると襲ってきて爪で引っ掛かれたり牙でかじられたりする。近距離で熊に出会ったら、熊から目を離さず、ゆっくり後ずさりして距離を取る。熊に背を向けたり、大声で叫んだりするのはよくない。熊は刺激しなければ襲って来ない。子連れ熊の場合は母熊が人間の周りをぐるぐる回ることがあるが、この時も熊に背を向けないように気を付ける。間もなく熊の方から去っていきます。怖くてどうしようもないときは、長い棒状のものを熊の前に突き出せば、それ以上近寄って来ないので安心できます。ただし、棒などを振り回すとかえって危険です。


▼ツタウルシ;つる性樹木で樹液に触れると肌がかぶれる。葉を手でちぎったりすると危険。葉は3枚ずつ付く。成木の葉はギザギザがないが若木はある。紅葉が美しい。
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▼ツマグロオオヨコバイ;体長約13mm。危険度は低く、刺されるとチクッと痛みが走るが短時間で治ることが多い。身の危険を感じると横歩きしてすばやく葉や茎の裏側に隠れる。体の形と色から「バナナムシ」の愛称がある。


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▼ドクウツギ;高さ1〜2mの落葉低木。果実、種子、茎葉が有毒で、誤食すると嘔吐、けいれん、呼吸マヒを起こす。果実は甘みがあり、子どもが食べて死亡した例がある。果実は7〜8月。


▼ドクガ;幼虫(写真左)は体長30〜40mm、毒毛針に触れると激しいかゆみを生じ、2〜3週間続く。多様な植物の葉を食べ、庭や公園にふつうにいる。成虫(写真右)は体長10〜15mm、雌の尾端に毒毛針が多数あり、触れると皮膚炎を起こしてかゆい。誤って触れてしまった場合はこすらずに流水で洗い流す。
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▼トビズムカデ;体長約8〜15mm。咬まれるとハチに刺されたような激痛が走り、赤く腫れる。発熱することもある。夜行性だが昼間も活動することがある。石や倒木や落ち葉の下などに潜んでいることが多い。


▼ニホンアマガエル;体の皮膚に毒がある。毒性は弱いが目に入ると炎症を起こす。アマガエルを触った手で目をこすらないこと。触ってもよいが後で手をよく洗う。目の横に黒い線があるのが特徴。体の色を周辺環境に合わせて緑色や灰色に変化させることができる。
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▼ニホンマムシ;咬まれると激しい痛みがあり、咬まれた部分が腫れる。重症になると吐気、頭痛、発熱、視力低下、血圧低下、急性腎不全などを起こす。マムシは人が近づくと落ち葉などにもぐり込んで逃げるが、人がマムシの存在に気づかないで近づいたり足で踏みつけたりすると咬んでくる。マムシが居そうな環境では急ぎ足で歩いたり走ったりするのは禁物。咬まれてしまったら傷口を絞って毒を出し、水で洗い流し、速やかに病院で治療を受ける。


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▼ヌルデ;ウルシの仲間で樹液に触れると肌がかぶれる。葉を手でちぎったり枝を折ったりするのは危険。葉軸に翼があるのが特徴。


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▼ハンミョウの仲間;体長2cm前後。毒はないが鋭い牙があり、かまれると痛い。素手で触るのは危険。


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▼ヒヨドリジョウゴ; ナス科のつる植物。果実は有毒。誤って食べると嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状が現れる。人間にとっては毒だが、鳥(ヒヨドリやジョウビタキ)は食べる。実は11〜1月。


▼ヤマウルシ;樹液に触れると肌がかぶれる。葉を手でちぎったり枝を折ったりするのは危険。葉軸が赤いのが特徴(写真右)。成木の葉はギザギザがないが若木はある。紅葉が美しい。
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▼ヤマカガシ;全長1m前後。牙と頸部に毒がある。牙で咬まれると止血作用が失われ、歯ぐきや傷口などから出血する。頭痛が起きると重症化して脳出血や腎不全を起こす危険がある。咬まれたら傷口を絞って毒を出し、速やかに病院で治療を受ける。また、ヤマカガシの頸部には毒腺があるので、素手で触るのは危険。


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▼ヤマビル;体長は約2cmだが伸びると5cm程度になる。主にシカやイノシシの血を吸うが人の血も吸う。血を吸われても痛みはないが血がなかなか止まらない。渓流沿いの山林に多く、雨上がりは活発に活動する。生息地ではヤマビル忌避剤を靴などに塗布するとよい。


▼ヨウシュヤマゴボウ;北米原産の帰化植物。高さ1〜2m。全草(特に果実と根)に毒成分がある。誤食すると嘔吐、下痢、けいれん、呼吸マヒとなる。写真右のように果実を紙に押し付けると色がついて遊べるが、幼児に教えるのは危険。
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※参考文献
*「野外における危険な生物」(1994)財団法人日本自然保護協会編


ナチュラリスト横田清美事務所
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