手軽に野鳥撮影が楽しめるカメラ

〜キャノン PowerShot SX70 HSのレビュー〜

2019年1月24日 横田清美

 カメラの知識がない方も、一眼レフ超望遠レンズやデジスコは高価で手が出ないと諦めていた方も、超望遠コンデジ(コンパクトデジタルカメラの略)があれば手持ち撮影で手軽に野鳥撮影が楽しめます。撮影のコツをつかめば驚くほどきれいに撮れます。

【写真2〜6】はキャノンのパワーショットSX70HS(価格6〜7万円台)で撮ったものです。

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▲【写真1】キャノン パワーショット SX70HS      ▲【写真2】ハクセキレイ、晴天時に撮影、距離5m

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▲【写真3】ベニマシコ、晴天時に撮影、距離10m   ▲【写真4】オシドリ、晴天時に撮影、距離20m

 超望遠コンデジで鳥をきれいに撮るには“条件”があります。パワーショットSX70HSの場合を例に取ると、次の三つの条件を満たす必要があります。

@鳥に日光が当っていること。日陰だとメリハリのない平凡な写真になります(写真5)。

A撮影する鳥との距離は、スズメ大なら10m以内、ムクドリ大なら15m以内、ハト大なら20m以内、カモ大なら25m以内、サギ大なら30m以内であること。これを超えると画像が粗くなります(写真6)。この距離は上手に近づけば鳥を脅かさずに済む距離です。静かにゆっくりと近づいてみてください。でも必要以上に近づくのはやめましょう。

B静止している鳥、または動きの遅い鳥をねらうこと。コンデジは素早く動きまわるものを撮るのが苦手です。写真がぶれやすいです。

 超望遠コンデジは三脚を使っても使わなくても写真の出来はそれほど変わりません。鳥を奇麗に写せるかどうかは、光の具合と鳥との距離でほぼ決まります。

〔失敗例〕
 写真5はピントは合っているが、日陰のため塗り絵っぽくなり、羽毛の繊細さが出せていない。写真6は距離が離れ過ぎていたため画像が粗くなり塗り絵のようになってしまった。

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▲【写真5】アオジ、日陰で撮影、距離5m      ▲【写真6】ベニマシコ、日陰で撮影、距離20m

キャノンのパワーショットSX70HSを使ってみた感想

 このカメラを触ってみた第一印象ですが、素材がプラスチックっぽくて「こんなおもちゃみたいなカメラで大丈夫か」と不安になりました。ピントが微妙に合わないと思いきや、とても奇麗に撮れることもある、そういうカメラです。

 一眼レフ超望遠レンズを買ったら100万円以上します。デジスコ(カメラ本体+スコープ+三脚)でも20万円以上します。コンデジは欠点が多いものの6〜7万円程度で済みます。私は一眼レフ超望遠レンズでの撮影経験がありますが、機材が重くて動き回れず、鳥をじっと待つ撮影方法はシャッターチャンスも少なくて退屈しました。コンデジなら動き回れるし、三脚が必要ないので鳥にあまり警戒されないし、シャッターチャンスもより多くものにできます。

 SX70HSは、私が以前使っていたコンデジ(富士フィルムのファインピックスS1)に比べると撮影成功率が上がりました。ファインダーを覗いた時の画質もとてもよいです。このカメラで鳥を撮る際は、モードダイヤルをPモードまたはAvモード(絞りは開放)にするのがお勧めです。後は鳥を射程圏内に入れ、カメラをしっかり構えてシャッターを切るだけ。AF(オートフォーカス)が優柔不断なので、なるべく複数枚撮るようにしましょう。

 このカメラはマクロ撮影の実力も凄いです。近づくとすぐに逃げてしまう虫でも望遠マクロで簡単に撮れてしまいます。デジタルズームを使えば、小さな虫も大きく写すことができます。昆虫撮影も楽しめますよ。

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▲キャノン PowerShot SX70 HS〔焦点距離;35mmフィルム換算で21mm〜1365mm、質量;約610g〕

 超望遠コンデジはキャノンだけでなくニコンやパナソニックなどでも出しています。日々進化し続けていますので、自分に合ったカメラを探してみてはいかがでしょうか。


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